お父さんの変身に協力出来たというお話
美容師をしていると色んなお客さんの髪型を扱うのだけれど、その人の生活スタイルにあった髪型に変えるという事も多いわけです。
この時期だと新学期や就職にあった髪型を提供する事が増えてきますし、結婚して子供をもうすぐ出産される妊婦さんなんかは、髪型を扱いやすく短い髪型にされる方もよくいらっしゃいます。
先日印象に残ったお客様はもう何十年も来店されている男性で、父親の代からTomoが引き継いで担当しています。
実はこの方をTomoは心配していたのでありますが、元々かなり体型の大きな方で伸長も横幅もかなりあって、おそらく100kgはゆうに超えていたのではと思います。
それが昨年の始めごろから、ドンドンやつれてきたわけです。
それはもう1ヶ月ごとに首周りとかお腹回りは細くなるし、顔などは骨が見えてくる。
声などは太い声から甲高い声になっていて力が無い。
これは、何か病気に侵されたのじゃないかと心配していたのですが、そういった込み入った話も聞きにくいまま1年が過ぎていったわけです。
そのくらい急激に痩せていってたわけです。
それで昨日の日中、この男性が直接来店して予約をしていかれたのですが、
今回はちょっとイメージチェンジをしたいとの事。
いつものしっかりパーマをかけてカッチリした感じではなく、ヘアカラーで色も入れて雰囲気を変えたいという事でした。
見れば、すっかりスリムに細くなった体にあった格好のいい服装を身にまとっており、
ああ、この方は何かのきっかけでダイエットをして、それに伴いオシャレやファッションにも興味がわいてイメージチェンジを図ろうとしているのだという事が分かりました。
遅くに子供をもうけ、まだ幼稚園の娘さんがいらっしゃるお父さんでもあるこの男性は、きっと娘のためにもカッいいパパに変身しようとしているのだなと想像しながら、似合いそうな髪型を提供するお手伝いをしたわけです。
というわけで、きっちりとした固いスタイルではなく、もう少しカジュアルに無造作感のあるパーマのヘアスタイルと、男性にも似合わせやすく好印象を得やすいアッシュ系のブラウンにしました。
「目をつぶって仕上がりも何も文句言いませんから」
と仰りつつも、これから変わるヘアスタイルに興味と期待と不安がいっぱいなのでしょう。
- パーマのスタイリングはどうすれば良いのか。
- 色味は大丈夫だろうか。
といった質問もありました。
無造作感を出す為にかけるパーマの仕上げには、乾かす前に少量のワックスをクシュクシュト揉み込んでつけてください。
とか、
色味はアッシュ系ブラウンですが、カッパー(銅)というオレンジ味のあるブラウンにアッシュを混ぜて、ちょっと明るいけど自然で深みのある色味にします。
といった風に説明をしました。
途中施術中に、どんな風にダイエットをしたのかということを聞くと、
- 毎日、2万歩を歩く。
- 食事は肉をやめて、夜はニンジン一本・キャベツ一玉・りんごを少しをジュースにして飲んだ。
という話を、とても嬉しそうに話してくださいました。
ダイエット以前には、座っているだけでしんどいらしく、かつ体温が高くなるためか冬でも汗だくになっていて、その為ずっと眠っていることの多かったのですが、この日はことあるごとに明るく自分から話していて、気持ちからずいぶん変わっているようでした。
スタイリングも全て終わって、会計を済ませ、かぶってきていたハンチング帽も
「かぶるのが惜しいw」
と仰りながら帰っていかれました。
さて家では、どんな出迎えをされたのでしょうね。