「1000円カットVSカリスマサロン」について

TBS「ひるおび!『えなりかずき!そらナビ』」だったかで、1000円カットをしている美容室や理容室の特集をしていて、「1000円カットVSカリスマサロン」というふうに「どちらが儲かるか?」という比較をしていた。

人件費や設備・材料費について、5%くらい1000円カットのサロンが儲かるそうだ。

美容師から見るとそれらの数字は、色々違うんじゃないかなという感想。

以下にまとめておきます。

そもそもカリスマ(笑)サロンをあげる事がおかしい。
マスコミの言うカリスマサロンというのは、都市部のごく一部のサロンを指しているように思う。
その都市部のサロンの料金(4000円)だけで比較するのは、日本全体の美容室や理容室との比較とはそぐわない。
地方ではもっと安い料金(3000円)でしているサロンもある。


人件費は普通の美容室も1000円カットの所も差が無いかと思う。
ただ、求人ではかなり高額な給与を表示していた。
この給料を出すには、それだけ多くの客をこなさなくてはならない。(おそらく歩合制はあると思う。)


理容室・美容室を賃貸でしているところやローンがあるところは大変なのはどこも一緒だと思います。
うちの場合、ローンも終わっているから、その点は何もリスクが無いです。


材料費としてシャンプーするのに1人につき200円かかるそうだ。
本当かどうか疑わしい。
一体、カリスマサロンはどんな高いシャンプーを使っているんだろう。
ああ、都市部は水道代がそんなに高いのだろうかw

理容組合がシャンプー台設置をしていない1000円カットのサロンを批判しているから、条例でシャンプー台を設置するように義務づける県が増えているとの事です。
違う。
理容師法・美容師法において衛生法規の条文があり、これを満たすサロンの作りでなければ理容室も美容室も運営してはいけないという規定がある。
それらを細かく指定していない理容師法・美容師法の穴を突いて、シャンプー台を設置していなかったりする事が問題なのである。
結局、条例が施行されても、自分たちの休憩室の水道にシャワーを設置して「シャンプー台」の代わりとして申請しているようだ。
理容所・美容所には不特定多数の人が来店する。なので今なら新型インフルエンザや結核というのも感染を拡大させないように、衛生の面でも法律で定められているし、それらを遵守しなくてはならない。
現在、子供の間で、アタマジラミが流行ったりする事がある。
安い料金でするという事は、衛生に問題のあるひつもより多く利用する可能性が高くなる。
そうした懸念を理容組合は指摘して入るのであって、理容組合が条例に働きかけたという流れなのかと、衛生的に安全なのかは疑問。


上の衛生の面でも関連するが、理容所・美容所には管理理容師・管理美容師を置かなくてはいけない。
パートなどが多いようですが、本当に在籍しているのか疑問。
美容師法

(管理者)第12条の3 美容師である従業者の数が常時2人以上である美容所の開設者は、当該美容所(当該美容所における美容の業務を含む。)を衛生的に管理させるため、美容所ごとに、管理者(以下「管理美容師」という。)を置かなければならない。ただし、美容所の開設者が第2項の規定により管理美容師となることができる者であるときは、その者が自ら主として管理する一の美容所について管理美容師となることを妨げない。2 管理美容師は、美容師の免許を受けた後3年以上美容の業務に従事し、かつ、厚生労働大臣の定める基準に従い都道府県知事が指定した議習会の課程を修了した者でなければならない。


技術的には理容師・美容師の免許があるから、カリスマサロンと遜色が無いというのが1000円カットの主張。
確かに、坊主に近いカットとかは一見、技術に差が無いように見えるが、10分以内でカットを済ませなくてはいけないという事は、髪の毛が長いスタイルの場合、それだけ「省いている工程」が存在すると思う。
見ていたが、レイヤーカットをボブスタイルにしただけのケースを紹介していた。
下のアウトラインを切って、セニングというスキバサミを入れてそれらしくしているのである。
カットのラインは真っ直ぐに切ろうとしたようだが、次の手順では既にがたついてディテールが崩れていた。
もちろんレイヤー部分は手を入れないで梳いて誤魔化しているだけ。
これが本当に技術が違わないかというと疑問。
(※それでアナウンサーが「あら素敵」って。(; `・ω・´)・・・)

東京の美容室*1にて勤めていた際、既に1000円カットのサロンは出てきていた。
その際、指導されていたのは「不況時には衣食住から真っ先に財布の紐を締められる。美容室は一番先になるだろう。高級なサービスを求める人と低額なサービスを求める人が多くいるが、そうした顧客の層はその間の中間層がかなりを占めている。その中間層に求められ支持されるサービスをより多く提供しなさい。」との事であった。


最近、マスコミは急に1000円カットの特集を良く組んでいるようだが、当時もバブルが弾けてすぐの時で、同様に美容雑誌でも特集を組んだりしていた。


1000円カットというのは今の不況時のニーズで利用者が増えたのではないですかね。


しかし、その際に、ヘアカラーの組合が発足したり、カリスマ(笑)なる美容師が登場したりした。*2


ユニクロやFOREVER21などその時代やその時の経済状況という物もファッションや美容の世界の情勢は変わるのかもしれない。
美容業界でもパーマ離れが言われた時期もありましたが、変わりにストレートパーマやヘアカラーリングが進歩してきました。カット技術も海外の美容師には無かった日本特有の技術も生まれた。


今は、とにかく次の美容の技術を発展させていく時期だろうと思う。


値段だけを見つめていたらいけないと思うし、私はとりあえず次に向かって美容師という仕事をしていきたいと思う。
またパーマ剤もカラーリング剤も進化してきていて面白くなっているところです。


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*1:17店舗程度のサロン。

*2:一部のカリスマ美容師の人が免許を持っていなかった為、すぐあの番組は終了したけれど